著者
森田 弥左衛門 川上 実 井上 剛史 金井 智美
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.1, pp.42-47, 1990-01-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
12

卵自中のタンパク質の分離について,通常のダウンフローカラムと,同一容量の薪規なラジアルフローカラムを比較検討した。その結果,DEAEセルロースのような軟質充填剤の場合は,目詰りのため充填圧が剃約され,両カラムとも秀填密度が0.809/mlであった。この条件で試料保持量は,側面積の大きいラジアルフローカラムの方が,断面積の小さいダウンフローカラムより格段に大きく,大量分取に適していた.また,このカラムで卵白中のタソパク質成分は三分画に分離でき・リゾチームを含むオボグロブリン類,オボトランスフェ.ジソを含むオボムコイド類,およびオボアルブミンの順に溶出した。ヒドロキシアパタイトのような硬質充填剤では,.高圧充填に耐えるダウソフローカラムの充填密度が1.119/ml,充填圧が5kg/cm2以下に制約されているラジアルフローカラムのそれは0.83g/mlで,商者に大きな差があった。この差が分離能に影響し,前者のダウンフローカラムの方が優れていた。また,このカラムによって卵白中のタンパク質成分は四分画に分離でき,オボムコイド類,オボアルブミソ類,オボトランスフェリンを含むオボグロブリソ類.およびリゾチームのように・導電点の小さい順に溶出した。