著者
川上 貴教
出版者
大学等環境安全協議会
雑誌
環境と安全 (ISSN:18844375)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.2_25-2_31, 2010

&nbsp;&nbsp;&nbsp;2005~2009年度の富山大学五福地区での不要試薬取引について、リレーショナルデータベース型化学薬品管理システムによるデータ収集結果を元に調査を行った。<br>&nbsp;&nbsp;&nbsp;5年間で635件の不要試薬公開があり、そのうち30.7%の195件の取引が成立した。それにより&yen;1,044,814の費用節約効果が得られた。約4割の研究室は不要試薬取引所を利用しており、退官する教員の試薬が大量出品されたり、有機合成化学系の研究室が積極的に引き取る傾向がみられた。なお、85%の取引は部局内ではなく異部局間で行われた。引取りを待つ期間としては約2ヶ月が適当であり、それ以上は廃棄手続をするのが望ましい。使用している研究室の数と、取引成立率には一定の相関がみられた。特に洗浄や中和に使われる有機溶媒や酸アルカリはよく引き取られた。また、未開封であることは有利な条件であった。
著者
五十嵐 淑郎 荒井 貴史 川上 貴教
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.1183-1188, 1994-12-05
参考文献数
11
被引用文献数
7 13

水-酢酸-クロロホルム三成分系において, pH依存相分離現象を利用した新しい均一液-液抽出法を開発した.まず, 三成分溶媒系の相分離における最適操作条件を決定した{クロロホルム230μl(0.66vol%)と酢酸2cm^3(5.71vol%)を含む均一水溶液に水酸化ナトリウム水溶液([NaOH]_T=1.03mol dm^<-3>)を添加し相分離を行う.最終体積 : 35cm^3}.又, あらかじめ添加するクロロホルムの量を調節することにより, 水相(V_w=35cm^3)と析出相(V_o=3.5μl)との体積比を一万倍とすることができた.モデル溶質としてα, β, γ, δ-テトラキス(4-ピリジル)ポルフィンを選定し, 本法を適用した結果, V_w/V_oが700のとき, 分配比(D)は5600及び抽出率(E)は88.9%であった.更に, 本法と8-キノリノール比色法を組み合わせた均一液-液抽出法では, 飲料水中の鉄の定量に対し, 良好な結果が得られた{鉄(III)-8-キノリノール錯体 : V_w/V_o=700のとき, D=1230及びE=63.7%}.