著者
松下 真史 川崎 芳英 岡田 康弘
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.95, no.7, pp.817-819, 2004-11-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
10

77歳男性. 2001年9月19日初診, 右尿管膀胱癌の診断で術前化学療法としてMVAC療法を3コース施行し同年12月12日に右腎尿管膀胱全摘除術 (ileal-neobladder) を施行した. 病理診断はTCC, G3, pT3N0M0であった. 外来 follow 中食欲不振を訴え2003年4月30日に入院. 胸腹部CT, 骨シンチで明らかな転移は認めなかった. その後, 全身筋力低下, 頚部硬直が出現, 頭部CT, MRIで水頭症を認めたため癌性髄膜炎が疑われ髄液検査を施行した. 髄液検査では髄液圧の上昇, 糖の低下, 蛋白の上昇, 細胞診で class V (urothelial carcinoma) が認められた. 癌性髄膜炎の診断6日後に死亡した. 尿路上皮癌 (移行上皮癌) の癌性髄膜炎は本邦8例目であった.