著者
鬼倉 徳雄 川本 朋慶
出版者
Japan Society on Water Environment
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.99-106, 2013
被引用文献数
2

九州北部の主要な一級河川の水文水質および水辺の国勢調査データに,九州大学が保有する魚類相データを加えて,水質と純淡水魚類との関係を解析した。流水性魚類の種数はBODと負に相関した一方,止水性魚類の種数は相関を示さなかった。Receiver operating characteristic curve解析を行ったところ,幾つかの魚種の出現/非出現がBODに左右されていた。2001-2010年の期間は1991-2000年よりもBODが低く,魚類の出現種数が多かったことから,近年の水質改善が魚類の多様性回復に貢献したと評価される。