- 著者
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桐山 俊弥
小塩 英典
洞口 岳
井川 愛子
佐野 文
足立 尊仁
白子 隆
永田 翔馬
川田 紘資
齊藤 聡子
- 出版者
- 高山赤十字病院
- 雑誌
- 高山赤十字病院紀要 (ISSN:03877027)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, pp.3-8, 2020-03-01
症例は55歳女性。乗用車運転中の自損事故のため救急搬送された。初診時の造影CT検査で複雑深在性肝損傷(IIIb型)を指摘した。バイタルは安定しており保存的に経過観察入院とした。受傷から6日後のCTで血腫の増大や仮性動脈瘤の指摘はなく、受傷から10日目に退院となった。以後当科外来で経過フォローを行ったが、受傷から43日後のCTで肝A5、A8に仮性動脈瘤が出現したため、血管内治療を行った。鈍的肝外傷後の仮性動脈瘤は遅発性出血の原因となるため、基本的にInterventional radiology (IVR) による治療が必要となる。フォローアップ期間について明確な基準は決まっていないが、受傷から1週間後および4週間後に造影CTでフォローを行うことは妥当であると考えられた。