著者
川畑 愛子 森 莉那 佐々木 裕子 高橋 佳子
出版者
一般社団法人 日本糖尿病教育・看護学会
雑誌
日本糖尿病教育・看護学会誌 (ISSN:13428497)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.1-9, 2023-06-30 (Released:2023-07-29)
参考文献数
27

本研究は,フットケア外来における糖尿病看護認定看護師の臨床判断を明らかにし,実践的な支援方法に示唆を得ることを目的とした.糖尿病看護認定看護師7名の語りから質的帰納的に抽出したカテゴリ間の関係を,臨床判断モデルに基づき構造化を試みた.その結果,価値認識:【自律した自己管理行動】【目指すものは希望や生きがいの実現】.背景:【糖尿病足病変の多様なリスクのある生活状況】.気づく・解釈・反応:【服装や歩き方から解釈する生活状況とセルフケア状況】【気づかいのある丁寧な足浴】【自己管理の積極的な意欲に繋がる自覚症状への関心や改善の実感】.省察:【看護師との関係性から自己管理行動に繋げる支援】等が抽出された.認定看護師の臨床判断には,患者の自律した自己管理行動や生きがいの実現を目指す倫理的認識や価値認識が影響し,患者自身が自己管理行動の内容を語る様子から,教育支援の成功を実感していた.