著者
川西 美穂 末永 和也 平野 智博
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.117-121, 2022-06-25 (Released:2022-07-21)
参考文献数
12

かび毒とは,植物病原菌であるかびや貯蔵穀物などを汚染するかびが産生する化学物質で,人や家畜の健康に悪影響を及ぼすものをいう.赤かび病の病原菌であるFusarium属のかびが,農作物,特に麦類や豆類に付着し,不適切な生産管理や収穫・乾燥などを行うことでこのかびが増殖し,フザリウム毒素であるトリコテセン類かび毒,デオキシニバレノール(DON),ニバレノール(NIV),T-2トキシン(T-2),HT-2トキシン(HT-2),ジアセトキシスシルペノール(DAS),ゼアラレノン(ZEA)等のかび毒を産生する.穀類であるハトムギ,ソバ中のフザリウム毒素について,一斉分析法について検討を行い,単一試験室における妥当性評価を実施した.その結果,ハトムギおよびソバにおける単一試験室におけるこの一斉分析法の妥当性が確認され,信頼性の高い分析が可能となった.