- 著者
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川﨑 信治
鈴木 一平
新村 洋一
- 出版者
- 日本乳酸菌学会
- 雑誌
- 日本乳酸菌学会誌 (ISSN:1343327X)
- 巻号頁・発行日
- vol.24, no.2, pp.79-87, 2013-06-20 (Released:2015-05-21)
- 参考文献数
- 32
- 被引用文献数
-
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酸素(O2)は大気中に21%存在し、水に溶けて地中深部にまで浸透する。地球上の気液相は常に対流しており、自然界で完全な無酸素環境が維持される生態系は稀である。故に、地球上に生息する全ての生物は、反応性に富むO2 に適応・進化し、今日を生きていると考えられる。古くから嫌気性菌は「O2 存在下で生育できない」と解説されることが多い。しかし嫌気性菌のO2 適応機構に関する研究を通じて、嫌気性菌は「O2 存在下では生育しない」というポジティブな意志を持った生物である印象を強く得てきた。本総説ではクロストリジウム菌やビフィズス菌、乳酸菌など絶対嫌気性〜通性嫌気性に分類される細菌が様々なO2 濃度下で見せる生育挙動を紹介し、その解析結果から推定される自然界での姿を考察する。