著者
工藤 光昭
出版者
東北職業能力開発大学校付属 秋田職業能力開発短期大学校
雑誌
東北職業能力開発大学校附属秋田職業能力開発短期大学校紀要
巻号頁・発行日
vol.14, pp.14-18, 2009-03

ダイオードの順方向電圧降下は直接電力損失に影響を与えるため注意することがあっても、逆回復特性(逆回復時間など)には通常関心を払うことが少ない。逆回復特性はデータシートに記載されていないことも多く、記載されていても測定条件が明確でない場合がある。同期整流を用いた電力変換回路では、ダイオードの順方向電圧降下よりも逆回復特性が電力変換効率に与える影響は少なくないとの指摘もある1)。さらに逆回復時間の短いダイオードは逆電力損失だけでなくノイズ面でも有利とされている2)。しかし、逆回復特性を測定するための機器(標準逆回復時間測定器、trrテスターなど)は整備されている環境にない。そこで同期整流の電力変換回路に用いるダイオードを最適化するためには、逆回復特性を測定する必要があるため測定器具を製作することにした。ここでの測定器具は順電流を5A、電流減少率を50A/μsと設定している。測定では逆回復時間だけでなく逆回復電流、逆回復電圧の測定もできる。このように逆回復特性を測定するための器具は逆回復特性全般と順方向電圧降下を比較評価できる状況にある。