著者
木ノ内 誠 高田 直志 工藤 喜弘
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第25回情報化学討論会
巻号頁・発行日
pp.JP37, 2001 (Released:2002-10-25)
参考文献数
3

我々は学習が入力順序に依存しない一括学習型自己組織化マップ(BLSOM,Batch-Learning Self-Organizing Map)のアルゴリズムを開発し,類似性に基づく解析に成果を挙げてきた.入力ベクトルの数が増えると,マップのサイズも大きくする必要があり,学習時間はほぼその積に比例して膨大なものとなる.本研究では,初期マップが主成分分析に基づいて作成されること,更新前後のマップ上で入力ベクトルが大きくは動かないこと,の二点に注目して,この問題点の解消を図った.いくつかの条件で提案法を試みた結果,マップの質を犠牲にしないで,学習時間を数分の一から数十分の一に短縮できた.かつて,コドン利用に基づく遺伝子の分類に適用して成功を収めてきたが,ゲノムプロジェクト完了期を迎えた生物種が増え続けて解析の対象となる遺伝子数が急増している現況に,かなり対応できることがわかった.