著者
畑岡 寛 田中 邦博 市川 紀一 亀田 伸裕
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.207-212, 2001-05-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
11

九州の石炭産業は大正・昭和期に発展している。その炭田炭鉱地域において特に土木産業遺産に着目した場合、志免の竪坑は全国で唯一残存しているワインディング・タワー形式で建設されている事からその保存についての議論はさまざまである。本研究では、この竪坑に着目した志免炭鉱の出炭から閉業までの課程を史的に報告する
著者
市川 紀一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.453-460, 1995-06-09 (Released:2010-06-15)
参考文献数
8

富山県の中央を貫流する常願寺川は急流荒廃河川として知られ、過去に幾多の氾濫を繰り返し、流域の住民は銀難辛苦を味わった。特に1858 (安政5) 年の地震では水源地帯で約4億万m3に及ぶ土砂が崩壊し、現在もなお約半分の土砂が山間に留まっていると言われている。このため一旦大雨ともなると土砂は土石流となって下流域に流失することから、川床は年々上昇して天井川を形成している。1891 (明治24) 年の水害による復旧工事では、内務省雇外人デレーケの献策によって大規模な改修工事が実施されたことは良く知られているが、この工事内容は諸文献に簡単な記述が散見する程度で、詳細な設計・工事経緯などは不明であった。本文では昨年筆者が発見した当時の富山県技術者で、この工事の最高責任者でもある高田雪太郎が残した数多くの記録をもとに工事の内容を紹介するものである。
著者
田中 邦博 市川 紀一 亀田 伸裕 畑岡 寛
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.371-377, 2000

九州鉄道に次いで、1891 (明治24) 年に筑豊炭を若松港に陸送するために敷設された産業鉄道・筑豊興業鉄道は、筑豊炭の輸送力の大幅強化をもたらした。相乗効果として、洞海湾開発や積出港の進展を促し、その後の豊州鉄道・小倉鉄道創立の引き金ともなった。また、1897 (明治30) 年、官営八幡製鉄所誘致が実現するに至り、工業都市としての北九州市の骨格が作られた。このように、産業鉄道が北九州市の近代化に果たした役割は大きなものであった。本報は、産業鉄道の内、北九州のほぼ中央を南北に縦断した小倉鉄道を取り上げ、その発足と進展の歩みを史的な立場からまとめたものである。
著者
市川 紀一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.111-122, 1997

Improvement works of Jinau-river, the largest river in Toyama prefecture, were performed twice during the latter Meiji era, Abstruct of these works is described in historical materials published by Toyama city and Toyama prefecture.<BR>This paper provides new aspect of these improvement works especially of the process of accomplishment based on unpublished materials owned by Ynkitaro Takada, which were newly found by author several years ago and also makes some investigation on the difference drown by existing records.<BR>It was also found Johannis de Rijke, who had been a technical advisor of the Joganji-river improvement works, had been also participated in the JinaU-river projects, The contents of his construction planning even today, enlighten us not only in theory but also in construction method.