著者
畑岡 寛 田中 邦博 市川 紀一 亀田 伸裕
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.207-212, 2001-05-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
11

九州の石炭産業は大正・昭和期に発展している。その炭田炭鉱地域において特に土木産業遺産に着目した場合、志免の竪坑は全国で唯一残存しているワインディング・タワー形式で建設されている事からその保存についての議論はさまざまである。本研究では、この竪坑に着目した志免炭鉱の出炭から閉業までの課程を史的に報告する
著者
長弘 雄次 田中 邦博
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.517-529, 1996-06-05 (Released:2010-06-15)
参考文献数
13

近時の土木工事において、国土の有効利用の立場から大深度地下空間の利用が大きくクローズアップして来ている。明治以来、日本経済の近代化に大きな役割を果たした石炭産業において、通気・運搬・排水など、その操業に重要な影響を与えた土木技術としての地下空間の開発について、特に全国の主要産炭地としての九川地区の炭鉱の立坑掘鑿に関する史的研究の成果を敢りまとめた。
著者
田中 邦博 長弘 雄次
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.475-486, 1997

日本経済の近代化に大きな影響を与えた北部九州筑豊炭田において、1887 (明治20) 年以降石炭生産量の増大と共に、従来から川ひらたと称する小舟による遠賀川の水運に頼っていた石炭の輸送が隈界に達し、陸運の必要性が高まるにつれて1889 (明治22) 年に筑豊興業鉄道が創立され、1891 (明治24) 年筑豊若松-直方間が開通した、, 以後石炭輸送の産業鉄道として活躍し、1897 (明治30) 年九州鉄道と合併するまで地域の発展に貢献したが、その創立から進展合併までの歩みを交通史としてとりまとめた。
著者
田中 邦博 市川 紀一 亀田 伸裕 畑岡 寛
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.371-377, 2000

九州鉄道に次いで、1891 (明治24) 年に筑豊炭を若松港に陸送するために敷設された産業鉄道・筑豊興業鉄道は、筑豊炭の輸送力の大幅強化をもたらした。相乗効果として、洞海湾開発や積出港の進展を促し、その後の豊州鉄道・小倉鉄道創立の引き金ともなった。また、1897 (明治30) 年、官営八幡製鉄所誘致が実現するに至り、工業都市としての北九州市の骨格が作られた。このように、産業鉄道が北九州市の近代化に果たした役割は大きなものであった。本報は、産業鉄道の内、北九州のほぼ中央を南北に縦断した小倉鉄道を取り上げ、その発足と進展の歩みを史的な立場からまとめたものである。