- 著者
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角田 隆太郎
常川 智弘
- 出版者
- 日本ベンチャー学会
- 雑誌
- 日本ベンチャー学会誌 (ISSN:18834949)
- 巻号頁・発行日
- vol.22, pp.105-119, 2013-09-15 (Released:2019-04-26)
本稿では、名古屋市で創業し、葬蔡業においてイノベーションを起こしたティア社の事業を、既存企業と比較し、分析を行う。サービスのイノベーションには、新たなサービスの開発によるものと、サービスの内容はこれまでと大きな違いがないが、それを新しい事業システムによって展開する「事業システムのイノベーション」がある。ティアは、葬蔡業において、「事業システムのイノベーション」を起こした企業である。本稿では、既存企業とティアの事業システムの違いを、財(サービス)、資本、労働、情報の取引の観点から分析を行う。企業家の輩出やイノベーションの生起の頻度、その受容と普及の速度については、地域間で大きな差異が存在する。日本の多くの地域では、企業家の輩出が停滞し、イノベーションが生起しにくい状況となっているが、そのような地域においても、「事業システムのイノベーション」の可能性が存在することを、ティアの事例から提示する。