著者
平井 恭二 竹内 千枝 揖斐 孝之 臼田 実男
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.428-434, 2015-05-15 (Released:2015-05-26)
参考文献数
10

開胸術または胸腔鏡下手術後の創部痛では肋間神経障害性疼痛がみられ,その症状は退院後も遷延することより治療には難渋することがある.今回,呼吸器外科術後で創部に発生した神経障害性疼痛要素を含む創部痛に対するプレガバリンとロキソプロフェンの併用効果についての検討を行った.Visual analogue scale:VAS, Numerical rating scale:NRSの疼痛スコアを使用して開胸手術群と胸腔鏡手術群に対して後ろ向きに比較検討を行った.経時的な開胸手術群,胸腔鏡手術群ともにプレガバリン併用群の方がVAS, NRSともに低下しており,各々のVAS, NRSの低下率でも有意に上回っていた.呼吸器外科手術後の創部痛は神経障害性疼痛が混在することが多く,プレガバリンとロキソプロフェンの投与はその症状緩和に寄与する可能性が示唆された.