著者
平井 芽阿里
出版者
國學院大學
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は、本土在住の沖縄県出身者の家族とコミュニティに付加された「沖縄人」、「沖縄」という表象を、コミュニティに所属する個々人の日常的実践の分析を通して改めて多元主義的(Pluralism)視点から再検討することである。同時に、本土在住の沖縄県出身者と故郷との宗教的連帯の実態を解明し、最終的に移住者の家族とコミュニティに関する理論構築を目指すものである。平成26年度は、過去2年に行った本土在住の沖縄県出身者の家族とコミュニティに関する基礎的なデータの整理と分析に加え、追加調査として、沖縄での2回の実地調査および愛知県在住の沖縄県出身者個々人へのインタビュー調査を行い、同時に成果取りまとめと理論構築のための文献資料調査も行った。調査については、4月から翌年3月にかけて、毎月開催される愛知県在住の沖縄県出身者が加入する愛知沖縄県人会連合会の「愛知の沖縄調査会」に参加し、愛知県の沖縄系コミュニティに所属する個々人の移住経歴や移住動機についての調査を行った。この調査の成果は、研究成果に基礎的なデータとして反映できただけでなく、愛知県在住の沖縄県出身者の記録として、「愛知の沖縄調査会」へも還元する予定でいる。また4月から12月にかけて、愛知県名古屋市在住の沖縄県出身者個々人へのインタビュー調査を広く行い、貴重なデータ収集が可能となった。11月には、沖縄県宮古島で移住者と故郷との宗教的連帯に関する補足調査を行い、大きな成果を得ることができた。