著者
平安山 英成
出版者
日本経営診断学会
雑誌
日本経営診断学会論集 (ISSN:18824544)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.91-96, 2019-09-27 (Released:2019-09-27)
参考文献数
15

本研究では,従来マスメディア広告の主たる効果とされた説得や補強とは全く異なるアジェンダ設定機能について議論する。この機能は,消費者反応プロセスの認知段階に作用し,アジェンダを設定することを通じて「いかに何らかのテーマを設定し,その範囲を限定するか」を目的としている。さらに,質的側面に着目した「属性アジェンダ」について考察を行った。この議論では,諸属性がどのように送り手から受け手に転移したのか,また受け手はどのように転移した諸属性を基にして頭のなかで対象を構築したのかを解明することが可能であり,より効果的なアジェンダ設定やそれを前提とした広告物作成のための指針が得られる有意義な議論だと考えられる。