著者
藤井 忠重 平山 二郎 金井 久容 半田 健次郎 草間 昌三 矢野 今朝人 高本 信治 丸山 喜代次 滝沢 正臣
出版者
Japan Radioisotope Association
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.179-184, 1982

心肺疾患6例に<SUP>201</SUP>Tlシンチグラフィを実施し, 血液および体外計測により経時的放射能量変化を観察するとともに<SUP>99m</SUP>TC-ヒト血清アルブミン (<SUP>99m</SUP>TC-HSA) を併用し, 肺血管内スペースに存在する<SUP>201</SUP>Tlの画像を求め, これを<SUP>201</SUP>Tl像からサブトラクトし, 肺血管外スペースの<SUP>201</SUP>Tlの画像を算出した。血中消失曲線では急速に減少し, 15分後では静注1分後の値の10~15%となり, 体外計測で肺の放射能量は100~150秒後にほぼ一定となった。肺血管外および肺血管内スペースにおける<SUP>201</SUP>Tl量は, 症例により若干の差異を認めるが肺集積量のおのおの94.9~99.7%, 0.6~7.2%を占め, また, 前者の画像は通常の<SUP>201</SUP>Tl像とほぼ同様であり, <SUP>201</SUP>Tlの肺集積はほぼ肺血管外スペースへの集積とみなせる。