著者
平山 邦彦
出版者
拓殖大学言語文化研究所
雑誌
拓殖大学語学研究 = Takushoku language studies (ISSN:13488384)
巻号頁・発行日
vol.137, pp.57-100, 2018-02-20

中国語の基本語順は一般的にSVO と認識されている。本稿では,日本人にとって適した語順体系の確立を目指しその触りの部分を論じた。本稿では,中国語の文はSVO を核心とし,各種構文はSVO に対するコーティング形式という考えのもと,議論を進めている。まずは既存の代表的分析法を概観し,SVO 語順を核心とした語順分析について言及した。その上で,(1)日本人にとってSVO の基本関係は日本語の「-を」「-に」等幾つかのパターンで括られる,(2)SVO と他の構文のコーティング関係において,SVO は文意的核心ではなく認知的核心を示す,という2 点を指摘した。