著者
平林 純
出版者
一般社団法人 日本画像学会
雑誌
日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.529-535, 2023-10-10 (Released:2023-10-10)
参考文献数
2

幅広く画像を取り扱う画像科学・工学者である私たちは,画像情報の取得やさまざまな画像処理を行い,さらに画像の出力を行っています.今日現在の21世紀に至るまで,多くの画像科学・工学者が存在してきました.そうした先達の中には,絵画を描いた画家たちがいます.現在の画像科学・工学者が,過去の画像科学・工学者たちが作り上げた「油絵」を美術館で眺める時には,“自分たちの経験・今現在の悩み”を思い起こしながら先達の技術に感心・感動してしまうものです.本解説では,画像科学・工学者向けの,油絵の上に現れたひび割れの楽しみ方を紹介します.
著者
井下 智加 平林 純 加藤 成樹 木村 純子
出版者
一般社団法人 日本画像学会
雑誌
日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.225-230, 2018-04-10 (Released:2018-04-13)
参考文献数
8

質感は,光沢感,立体感,凹凸感,透明感など,人が材質に対して感じる視覚的,触覚的な感覚を指す.貴重な文化財を眺める時であれば,そうした質感情報を通じて,強い印象や豊かな満足を人は得る.近年,印刷やCG技術が大きく向上し,質感表現を活用したビジネスが創出され始めている.我々は,従来の色のみを扱う画像の世界から,質感情報を応用した領域へ技術開発やビジネス展開を進めようとしている.本稿では,文化財保存·高品質複製を踏まえた質感再現技術を紹介するとともに,質感の定量測定を容易に行うことができる「質感測定器·表面反射アナライザー」について紹介する.