著者
平田 祐一 影山 真理 中瀬 浩二朗 河村 卓二 宮田 正年 盛田 篤広 田中 聖人 宇野 耕治 安田 健治朗 桂 奏
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.3401-3408, 2013 (Released:2013-10-31)
参考文献数
30

症例は61歳,男性.2000年より全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)で当院に通院中であり,7年以上にわたるプレドニゾロン(PSL)15mg/日の内服加療の後,2010年8月より12.5mg/日に減量した.その約1カ月後より下腹部痛,発熱,血便が出現し当院を受診した.下部消化管内視鏡検査では直腸に縦列傾向のある類円形の潰瘍を認めた.保存的加療で症状は改善し,2011年5月にはPSL 10mg/日に減量した.同年7月より下腹部痛,発熱,血便が再燃した.直腸には打ち抜き様の潰瘍が散在しており,潰瘍からの生検では血管炎の所見が得られた.SLEに伴う大腸多発潰瘍型ループス腸炎と診断し,PSL 20mg/日に増量した.その3カ月後に施行した内視鏡では直腸潰瘍の改善を認めた.
著者
真田 香澄 島本 真里 影山 真理 平田 祐一 白川 敦史 岡田 雄介 中瀬 浩二朗 萬代 晃一朗 鈴木 安曇 森川 宗一郎 河村 卓二 河端 秀明 盛田 篤広 宮田 正年 田中 聖人 宇野 耕治 安田 健治朗
出版者
京都第二赤十字病院
雑誌
京都第二赤十字病院医学雑誌 = Medical journal of Kyoto Second Red Cross Hospital
巻号頁・発行日
vol.33, pp.39-45, 2012-12

総胆管結石のため当院に入院し内視鏡的結石除去術あるいは内視鏡的胆管ステント留置術を試みた85 歳以上の182 例について検討した.内視鏡的に完全切石した症例(66 例)を完全切石群とし,完全切石を行わず,胆管ステントを留置して経過観察している症例(116 例)をステント留置群とした.両群の平均入院期間は19 日および16 日であった.経過観察が可能であった症例での検討では,両群ともに約半数に再発を認めた.完全切石群では平均551 日,ステント留置群では平均313 日での再発であり,再発率にも有意差は認めなかった.内視鏡的治療は有効かつ安全に施行できた.なかでもステント留置は完全切石と遜色ない長期予後を得られる治療法であり,さまざまな背景因子をもつ超高齢者においては有効な選択肢であると考えられた.