著者
平見 知久 山下 義行 中田 育男
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第52回, no.ソフトウェア, pp.7-8, 1996-03-06

コンパイラ生成系では文脈自由文法や属性文法に基づき構文解析器、意味解析器の自動生成を行う。その中でも特に、1パス型の属性文法が使用されることが多い。しかし1パス型の属性文法においては右依存的な属性評価は許されない。したがってこれに基づく生成系では右依存的な属性評価は使用できず、記述において右依存的な属性評価としたほうが素直な場合についても、コンパイラ作成者が右依存のない記述に修正しなければならなかった。このような処理系の制約による記述の変更を行なった場合、得られた記述は本来作成者が意図していたものとは別のものであるため、記述の読解性が低下してしまうという問題があった。本発表では、右依存的な属性評価に対してバックパッチと呼ばれる処理を自動生成することにより、記述を変更することなく右依存的な属性評価を行えるような方法を提案する。また、現在我々が開発中である属性評価器生成系EAGLEに実現を行い、その有効性について検討を行なった。