著者
平賀 督基 品川 嘉久
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.421-422, 1997-03-12

物体を認識する手法としては、曲率といった局所的特性の分布などによって物体を認識する方法があるが、そうした手法では測定誤差の影響を受けやすく、良い結果を得ることが困難となることがある。本研究ではそうした手法とは異なリ、物体の構造的特性を表し、また誤差の影響を受けにくい高さ関数のレーブグラフ (以下、レーブグラフと略記) を用いての物体認識を目標としている。本手法は主に2つの段階に分かれている。まず第一段階は、対象となる物体のレーブグラフをあらゆる角度から生成し、その角度に対応する球面上の点にレーブグラフをマッピングして、その物体の球面マップを作る段階である。物体の回転に関してレーブグラフは変化するため、この球面マップが必要となる。第二段階は、生成された複数の球面マップ間の相似性を計算する段階であり、この段階を行なうことによって物体認識が行なわれる。このマップ間の相似性の判定のためには、レーブグラフ間の類似性を計算しなければならない。本論文では、まずレーブグラフを紹介し、次にその類似性に関する定義を与える。最後に球面マッピングの手法を示して、どのように物体認識を行なうかを述べる。