著者
平野 蘭子 小山 眞理子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.5_971-5_981, 2018-12-20 (Released:2018-12-21)
参考文献数
30

目的:新任プリセプターが新人看護師指導において体験する指導上の困難とその困難を乗り越えるためにとった行動や求める支援を明らかにし,指導上の困難を乗り越えるための支援を検討する。方法:初めてプリセプターの役割を担う看護師11名に対し,半構成的面接を行い質的記述的に分析した。結果:指導上の困難は新人の理解度を把握するむずかしさ,自分の知識や指導への自信のなさ,同僚からの指導の協力の得にくさ等であった。困難を乗り越えるために新任プリセプターは同期とのかかわりや指導者としての自覚等を支えに,上司や先輩への相談,同期との悩みやつらさの共有等の行動をとっており,精神的支援者の配置,指導内容や方法の伝授等の支援を求めていた。結論:新任プリセプターが指導上の困難を乗り越えるための支援として,指導体制の整備,同期や同僚との心理的つながりの構築,プリセプター経験を肯定的にとらえられるようなかかわりが重要である。