著者
廣瀬 博文
出版者
徳島工業短期大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2015

本研究ではバイオ燃料として竹を砕いて粉末状にした竹粉をレシプロエンジンに投入する実験を行った. 竹は数年で育ち, 放置竹林がますます増大して環境問題となっている. この解決策として竹をレシプロエンジンの燃料として活用できないか研究を行った. レシプロエンジンの燃料として竹を活用できれば需要が増大し放置竹林が解消するだけでなくエネルギー問題の改善へ貢献できるのではないかと考えている. しかし, 竹粉だけをレシプロエンジンに吸入させて燃焼させるにはいくつか問題点があるため、従来の燃料と混合した竹粉混合燃料としてエンジンを動かし, 化石燃料の消費量を押さえつつ発電を行える発電機を研究することにした. 発電機のエンジンの種類として軽油を燃料とするディーゼルエンジンを使用することにした. 実験方法は無負荷の状態と発電機の限界負荷を掛けた状態の二つの条件で竹粉の量を変化させて投入し軽油の消費量と黒煙の濃度を測定した. 実験結果は無負荷の状態で特定の条件で軽油の消費量を抑える竹粉投入量を確認することができた. さらに竹粉の投入限界量を確認することができた. しかし, 発電機の限界負荷を掛けた状態では, 無負荷でもっとも効率がよいと思われる竹粉量でも軽油の消費量を抑えることができなかった. 今回の実験では市販のディーゼル発電機を利用して実験を行ったがこの市販のディーゼル発電機は軽油を使用したディーゼルエンジンが最も効率が良い回転数に設定されているが, この回転数では竹粉を燃料とするには高すぎるのではないかと思われる. 回転数が高いために竹粉が燃えるのに必要な時間が足りず多くの煤が発生しエンジンを停止に追い込む悪循環となっている. 今後の研究としては発電機を改良して竹粉を燃料として活用できる最良の条件を模索していきたい.