著者
立木 宏幸 中川 武芳 田村 憲二 廣瀬 慶二
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.61-66, 1997-03-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
11

ニホンウナギにおいてE2の経口投与による雌化効果および成長について調査した。配合飼料による餌付けを完了した直後のシラスウナギに, 飼料1kgあたり10mgのE2を添加した試験飼料を投与した。対照区に比べE2を投与したすべての区で雌の比率が有意に高くなり, 餌付け直後からE2を4ケ月間投与した2区では雌の比率が97.0%と最も高い出現率となった。体重約200gまではE2投与の有無による明らかな成長差は認められなかった。しかし, E2を投与した雌魚ではさらに成長し, 2年4ケ月で天然親魚に匹敵する大きさに成長することが確認され, 本報告で示した方法により種苗生産用親魚の育成方法が確立された。
著者
橘川 宗彦 大場 基夫 廣瀬 一美 廣瀬 慶二
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.401-405, 2003-12-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
12

1) 芦ノ湖産ワカサギ親魚の水槽内自然産卵法による採卵の量産化試験をおこなった。2) 2001年流水式1.5t FRP水槽3面で, 小型定置網4力統により採捕された親魚を一昼夜収容し, 翌日水槽内に自然産卵され吸水を完了した状態の受精卵を効率的に採取した。3) 2002年3月5日から4月11日にかけて37日間操業した中で採捕親魚3, 427kgより, 水槽内自然産卵法で受精卵71, 018万粒が得られた。4) この方法により得られた受精卵の発眼率は86.7%から96.1%と, 事業規模の採卵としては極めて高い値を示した。5) 今まで行われてきた人工搾出法と比較し, 採卵数量の増加と発眼率の上昇が認められた他, 労働力の大幅な省力化が図られた。6) 自然採卵後の生残親魚を再放流することにより再資源化も可能となる。