著者
廣見 多恵 仁田 周一 武藤 篤生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.95, no.611, pp.13-20, 1996-03-27

ヒューズは回路に過電流が生じた際洛断し, 回路を熱から保護するために挿入されている重要な保護回路である.回復可能なブレーカーが普及してきた今日でも未だに精密な機器に利用されている.ヒューズに関する研究は今までも多数行ねれており,それに従ってヒューズに関するJIS規格も多数ある.しかしそれらは基準時間以内にヒューズが溶断する事が主な項目である.また,溶断時に発生するアーク放電に関しては,消弧技術に関する研究はなされているが,アーク放電発生の機構に関する研究はなされていない. しかし実際にはヒューズが洛断する際アーク放電が発生し,電流が短時間で遮断出来ないばかりか,激しい電圧変動が生じる.それが本来保護すべき回路に悪影響を及ぼす可能性がある.本研究では,ヒューズが溶断する際に生じるノイズの発生機構の研究とそれが回路を含むシステムに及ぼす影響を観測し,ヒューズを使用する際にJISで定められている規定以外に留意しなくてはならない点を提言することを目的としている.