著者
建石 由佳 小野 芳彦 山田 尚勇
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.25(1988-HI-018), pp.1-8, 1988-05-09

日本文の表面の情報から、構文や意味によらないでその文章の読みやすさを評価する式を、読みやすさと関係のある表面情報のうちの4種類、すなわち(1)文の平均の長さ(文字数)、(2)各文字種(英字、ひらがな、漢字、カタカナ)について、その文字種の連(同一文字種の文字の一続き)の相対頻度、(3)文字種ごとの連の平均の長さ、(4)読点の数の句点の数に対する比、から線型式により求めた。主成分分析により、読みやすさに関係のある成分を見つけ、その計算式を評価式とした。この成分はサンプルとしてとった科学技術系の日本文におけるスコアの分布が、読みやすさについての経験的知識とよく一致した。また、このスコアを読みやすさの指標に使えることを、クローズ法と、それにかかる時間の計測とを用いた実験により確かめた。