- 著者
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弓場 大夢
渡邉 慎二
- 出版者
- 一般社団法人 日本デザイン学会
- 雑誌
- 日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第63回研究発表大会
- 巻号頁・発行日
- pp.21, 2016 (Released:2016-06-30)
一側性難聴者とは片側の耳のみに明らかな聴覚障害を抱える人々を指す。一般的に日常生活での支障はないと思われているが、特有の3つの困難によって潜在的に精神的な負担を感じている人々は多い。近年、新生児聴覚スクリーニング検査の普及により同様の症状を持つ新生児の発見率が高まっていることを考慮すると一側性難聴は軽視できるような症状ではない。それにも関わらず、片側のみの聴覚障害では法律上障害者手帳をもらうことができない。そのため一側性難聴者へ向けたサポート製品市場は不安定であり、研究は進められていない。本研究では、特有の3つの困難の中でも現状解決できていない音源定位の困難に焦点をあてたサポート製品として、ユーザーへ向けられた「危険音」と「コミュニケーション音」を分析し、それぞれに対応した2種類の異なる振動を後頸部から両肩にかけて選定した4つの箇所へ伝える音源定位サポート製品を提案した。振動の種類で音源の特徴を、振動する箇所で音源の位置を直感的に把握できる。本提案は一側性難聴者だけでなく、両耳難聴者やイヤホン装着時の健聴者にとっても使用価値のあるものとすることができた。