著者
張 玉鈞
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.19-26, 2003-07-01 (Released:2017-08-28)
参考文献数
13
被引用文献数
1

本論では,中国における国有林場再編の過程を国有林場系譜の自然保護区をとりあげ,経営対策の一環として観光事業を推進している松山自然保護区(旧松山林場)を事例にその現状を分析した。経済体制改革後,国有林場は「国有民営」および「分類経営」による再編の時代を迎えた。各経営体に市場原理の導入が図られ,また,一部の国有林場は生態公益林型林場の経営に組み入れられて,さらにその一部は自然保護区といった別の機構への移行が実行されることになっている。この国有林場系譜の自然保護区(自然保護区管理処)では,経営的自立の1つの手段として観光事業が行われて,多くの観光客を受け入れる一方,自然生態系保護と地域振興が同時に追求されている。前進的な過程にあるが,問題点も多い。