著者
彦惣 俊吾 坂田 泰史
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.111, no.2, pp.221-227, 2022-02-10 (Released:2023-02-10)
参考文献数
10

ACE(angiotensin-converting enzyme)阻害薬・ARB(angiotensin receptor blocker)は,長らく慢性心不全治療薬の中心的役割を担ってきた.近年,ナトリウム利尿ペプチド分解酵素阻害作用を併せ持つARNI(angiotensin receptor neprilysin inhibitor)が,ACE阻害薬以上の有効性を有することが示され,国内外のガイドラインにおいて,ACE阻害薬・ARBでは効果不十分な症例においてARNIへの切り替えが推奨されるようになった.どのような症例が切り替えの対象となるのか,及び切り替えの際の留意点等について解説する.