著者
影山 亜紀子 辮野 義己
出版者
公益財団法人 日本ビフィズス菌センター
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.103-107, 2001 (Released:2010-06-28)
参考文献数
11
被引用文献数
1

抗生物質は各種細菌感染症の治療に用いられているが, 治療の結果, 正常フローラを変化させることが明らかにされている.どのような抗生物質が腸内細菌に影響を与えるのかを調べるためにCollinsella属をはじめとするヒト腸内最優勢菌種について, 9種類の抗生物質に対する感受性試験を行った.Collinsella属は全体的に薬剤感受性だが, セフェム系薬剤の一部やモノバクタム系の薬剤に対して耐性を持っことが明らかとなった.よって治療にはセフェム系やモノバクタム系の薬剤を用いた方が, 腸内のCollinsella属に対する影響は少ないと考えられる.また, Collinsella属3種の分類指標としても薬剤感受性の違いが用いられることも分かった.