著者
後藤 京一郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.579-580, 1986-10-01

ソフトウェアの品質の中で,特に信頼性を大きく左右するものとしてソフトウェア障害(以下,バグと称す)がある。ソフトウェア開発では高品質な製品開発をめざし入念な注意を払っているにもかかわらず何故かその意に反してバグが作り込まれてしまうのが実状である。では,このようなバグを撲滅していくためにはどうすべきか,昨今,バグ分析は品質管理の画から重要課題として各種手法が試みられているが,我々はバグを作り込んだ背景を探りその根本原因を究明して行くことが,より良い解を見出すことにつながるものと考えた。又,バグの中でも厄介なものはソフト開発中のマシンテスト段階で発見されるもので,これはテストの進行を妨げるばかりでなく,その原因調査などに多くの時間を浪費し開発効率を低下させる大きな要因にもなっている。本稿では,これらの経緯のもとに実際のソフトウェア開発中に発生したバグを対象にしてその原因分析を実施した事例について紹介する。