- 著者
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後藤 駿一
斎藤 恭一
- 出版者
- 公益社団法人 日本アイソトープ協会
- 雑誌
- RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
- 巻号頁・発行日
- vol.65, no.1, pp.15-22, 2016-01-15 (Released:2016-01-22)
- 参考文献数
- 9
- 被引用文献数
-
3
1
汚染海水から放射性ストロンチウムを除去するのは次の2点から難度が高い。(1) 海水にもともと約8 g/m3溶けている非放射性ストロンチウムに,原発事故で生じた極微量の放射性ストロンチウムが追加されて溶けている。(2) 海水にはストロンチウムと同族のマグネシウム,カルシウムが,それぞれモル濃度で600, 100倍の濃度で溶けている。したがって,放射性ストロンチウムにとっては,非放射性ストロンチウム,マグネシウム,カルシウムが吸着材への競合物質である。本稿では,ストロンチウム除去用の吸着繊維の作製法や性能について解説する。