著者
徳弘 康代
出版者
JSL漢字学習研究会
雑誌
JSL漢字学習研究会誌 (ISSN:18837964)
巻号頁・発行日
no.6, pp.30-35, 2014-03-20

本稿では,言語の枠を超えた第二言語としての漢字教育の研究のための基礎資料として,インターネット上での漢字の出現頻度と汎用性を調査する。本研究で漢字の汎用性とは,漢字が多言語で使われる度合のこととし,その算出方法は各漢字のウェブ全体の出現頻度における日本語ページの出現頻度の占める割合とする。この割合の低いものほど,他言語でも使われる汎用性が高い漢字といえる。汎用性の情報は,漢字圏の日本語学習者には日本語でのみ使用頻度の高い漢字に重点を置いて学習することに役立つ。また,複数の漢字圏の言語に興味を持つ学習者にも有用な情報となる。
著者
徳弘 康代
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2006-03

制度:新 ; 文部省報告番号:甲2231号 ; 学位の種類:博士(日本語教育学) ; 授与年月日:2006/3/15 ; 早大学位記番号:新4252
著者
徳弘 康代
出版者
JSL漢字学習研究会
雑誌
JSL漢字学習研究会誌 (ISSN:18837964)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.16-25, 2018-03-31 (Released:2022-04-12)
参考文献数
4

近年インターネットの普及により,世界の日本語学習者が漢字に触れる機会が,インター ネットのサイトにおいてであるということも多くなってきた。それでは,ネット上ではどのような漢字が多く用いられているであろうか。また,それは紙媒体の漢字の出現頻度とどのような差異があるだろうか。本研究では,常用漢字 2,136 字がインターネットの日本語サイト上でどのぐらい使用されているかを調査し,新聞の出現頻度と比較し,インターネットに出現する漢字の特徴を考察する。また,調査した漢字を頻度順に提示し,日本語の漢字教育に活用できる情報を提供する。本調査には 2017 年に国立国語研究所が公開した『国語研日本語ウェブコーパス(NWJC)検索系「梵天」』を用いた。このコーパスは文字単位の検索が可能であり,既存の検索エンジンのような件数の上限もなく,結果が比較的安定しており,信頼性の高い情報を得ることができる。
著者
徳弘 康代
出版者
JSL漢字学習研究会
雑誌
JSL漢字学習研究会誌 (ISSN:18837964)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.11-20, 2017 (Released:2020-02-22)
参考文献数
27

日本語には同音語が多く存在する。さらに,それらの同音語に長音や濁音,促音,撥音が付くか付かないかによるだけの違いの類音語も多量に存在する。このような語は特に漢字語彙に多い。日本語教育における漢字教育では発音も注意が必要である。特に学習者に拍(モーラ)の意識が定着していない場合,モーラ音素(長音・促音・撥音)の持続時間が不安定で,類音語との区別がつきにくくなる傾向がある。本研究ではこのようなモーラ音素の有無による類音語を調査し,漢字語彙の発音練習の資料となる類音語の資料を作成した。これはモーラ音素が付くか付かないかによるだけの違いの類音語の組を一覧表にしたものである。調査には『EDR電子化辞書』の「日本語単語辞書」の普通名詞約124,000語を用いた。
著者
徳弘 康代
出版者
JSL漢字学習研究会
雑誌
JSL漢字学習研究会誌 (ISSN:18837964)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.15-19, 2016 (Released:2018-01-10)
参考文献数
4

語彙マップを用いて会話をしながら言葉や漢字を学ぶ初級学習者用の教材について述べる。初級では語彙学習は,語句のみを取り出して分類してマップで提示しても,実際に表現することにつなげるのは難しい。本研究で開発した語彙マップには,独立語を提示するだけでなく,助詞や表現文型や活用させた動詞等も載せて語彙と文法を混在させ,学習者がそのマップを見てすぐに表現できるように工夫した。また,イメージを膨らませることを容易にするため,絵やイラストも多く取り入れた。