著者
志津野之也 濱川礼
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.646-656, 2014-07-02

本研究では,写真撮影時に自動的に構図を検出する事で,専門的な知識・技術を必要とせず,魅力的な写真撮影を可能にする構図マッチング手法を用いた,自動構図決定法について提案する.近年デジタルカメラの普及に伴い,写真を一般ユーザが撮影する機会が増えている.しかし,専門的な知識・技術が無い初心者にとって構図を考えながら魅力的な写真を撮影することは困難である.そこで本研究では,専門的な知識・技術を必要とせずに魅力的な写真を撮影する支援として,特徴点抽出やクラスタリング手法を用いて被写体を認識し,認識された被写体と被写体に適した構図をマッチングする手法を提案する.また本手法を用いた実システム『E-cose』を開発した.『E-cose』は被写体に適した構図を自動で決定してユーザに示唆,ユーザはその構図に合わせて撮影することで魅力的な写真撮影を可能にする.評価として愛知県豊田市周辺(屋内30種類,屋外70種類)で撮影された被写体100種類について各々5構図と構図無考慮の計6枚撮影し,魅力的に感じる1枚を被験者に選出してもらい,『E-cose』の選んだ構図と一致するかの比較評価を行った.対象は大学生26名である.