著者
成澤 芳男 中埜 邦夫
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.T25-T28, 1983-03-05 (Released:2009-06-19)
参考文献数
8

容量分析において最も基本的な事がらの一つである計量器の容積を検度する場合,現在用いられている補正値表は軟質ガラスの膨張係数と黄銅製分銅の密度を用いて求めたものであるため実状に添っていない.又SI単位による体積の定義が変更になったにもかかわらず利用された水の密度データはそのことが考慮されていない.従って測容器の補正値を現状に合うように再計算しなければならない.0℃~30.5℃までの0.5℃刻みの水の密度データを用い最小二乗法による多項式近似を行い,0℃以上の任意の温度における水の密度を求める多項式を算出した.任意の温度の水の密度を小数点以下6けたまで求めるのに5次の多項式を用いて近似すれば十分であることを確認した.得られた近似多項式を用い,測容器の検度に用いる値正値を計算した.又任意の温度で溶液調製を行ったとき,標準温度での容積に換算するための補正値の計算も行った.