- 著者
-
成田 智哉
- 出版者
- 利府町立菅谷台小学校
- 雑誌
- 奨励研究
- 巻号頁・発行日
- 2014-04-01
○研究目的2012年度に開発した簡易で持ち運び可能な鉢等を利用したバタフライガーデン学校キット(以下BGSK)」は, 勤務町内の全小学校及び県内の小中学校計16校で活用された。企図する時期に卵付き苗を配布可能にすることで, 実物を用いた児童の観察機会を更に多くしたり, ICTを活用して児童の精密な観察眼を育成する授業プログラムを開発したりすることが本研究の目的であった。○研究方法1 BGSKを活用してチョウの蛹を前年度に確保し, 次年度羽化させた成虫を飼育し, 効率的に産卵させる方法を検討した。実物の活用とICTの活用を融合させながら, 児童にチョウの生活環や形態・生態等をとらえさせ, 精密な観察眼を育成する授業プログラムを開発し, 実践を通してその有効性を検討した。○研究成果1 BGSKを活用して, 前年度の晩秋にモンシロチョウの蛹を確保した。翌春羽化した成虫を飼育し, 産卵させる方法を検討した結果, 狭小な網製の飼育容器内で, モンシロチョウが交尾し, 食草に多数産卵させることができた。このことにより卵付き苗の配付が可能になるとともに, BGSKの周年活用のサイクルが出来上がった。2 児童の自然への関心を高め, 精密な観察眼が育成されることを期待して, 教員を対象としたBGSKの植栽方法や活用法の伝達を目的とした研修会を開催した。このことにより, 多くの児童に卵や幼虫等の実物, 及び羽化の瞬間を観察させることができた。また, 生物や自然への関心を高めることができた。3 モンシロチョウでの産卵方法をオオムラサキにも適用し, 複数産卵させることに成功した。そこで得た幼虫を用い, タブレッド端末や画像の無線転送装置を活用しながら, 互いの観察結果を共有する授業プログラムを開発した。