著者
成田 朋子 Tomoko Narita 名古屋柳城短期大学 Nagoya Ryujo Junior College
雑誌
研究紀要 = Nagoya Ryujo Junior College annual report of studies (ISSN:13427997)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.89-103, 2013-12-20

今日では幼児期の比較的早い時期から様々な習い事をする風潮にあるが、それら早期の経験が子どもの発達に寄与するものであるためには、どのような経験であっても、後から振り返ってやってよかったと思える経験であることが必要であると考えられる。本学学生とその保護者に対して習い事についてのアンケート調査を行い、1997年に行った調査結果と比較検討した。学生たちはピアノ、習字、水泳等2.67種類の習い事を、自分の意思で、あるいは親に勧められて6 歳3 か月から11歳6 か月頃まで行っていた。これらは概ね1997年と同様の結果であったが、1997年に比べて習い事を始めるに際して親の意向がより強い傾向がみられた。そして、平均より早くから親の意向で始めた場合に、その習い事をしたことに対する否定感情が生まれる危険性が示され、子どもの気持ちを尊重することの大切さが示唆された。早期教育という用語について、また早期教育熱が高まった要因についても考察し、乳幼児期は子どもが育つための基礎を整えるという意味において大切な時期であることを確認した。