著者
野々垣 文成 Fumishige Nonogaki
出版者
名古屋柳城短期大学
雑誌
研究紀要 = Nagoya Ryujo Junior College annual report of studies (ISSN:13427997)
巻号頁・発行日
no.37, pp.45-53, 2015

声楽の分野では演奏が全てである。その演奏の助けとして歌手とピアニストの為の演奏法の解釈、分析が必要であり重要となってくる。現在、声楽の分野ではそのような文献がまだ不十分である。特にその中でもドイツ歌曲の分野では世界で最も優れている詩人の作品に才能ある作曲家が曲をつけていることでも知られている。筆者自身ドイツ歌曲専門の歌手であるため、ドイツ語圏の最高の芸術作品であるドイツ歌曲の演奏法と解釈に注目している。
著者
菊地 伸二 Shinji Kikuchi
雑誌
研究紀要 = Nagoya Ryujo Junior College annual report of studies (ISSN:13427997)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.53-61, 2014-12-20

アウグスティヌスは、カトリック教会に回心した後、約15年間にわたり、さまざまな「マニ教反駁書」の執筆にとりかかる。この小論では、「マニ教反駁書」の中でも、とくに、聖職の道を歩み始めた後に書かれた二つの作品である『二つの魂』と『マニ教徒フォルトゥナトゥス駁論』を取り上げて考察する。この二つの作品において、アウグスティヌスは、マニ教が主張するところの善悪の二つの本性を徹底的に批判するとともに、悪の原因を人間の自由意思のうちに求めていくが、そのような人間の自由の擁護は、神の自由というより完全な姿を前提とすることによって成立するものである。また彼は、「マニ教反駁書」を執筆するという営みの中で、マニ教徒の「パウロ書簡」の解釈に出会うとともに、そのような解釈を批判する中で、自らが「パウロ書簡」のより精緻な読解へと導かれていくのであり、そのことが彼の「自由意思」の理解を深めることにつながっていくのである。
著者
新海 英行 Hideyuki Shinkai
雑誌
研究紀要 = Nagoya Ryujo Junior College annual report of studies (ISSN:13427997)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.1-7, 2014-12-20

In June, 2002, the Act of Local Autonomy was amended, and it was decided for the public sector to be able to consign management of the public facility to such private sectors as the third sector, NPO and private company. This ystem's aim is to decease financial burden of the local public body, to enlarge efficiency of administration of the local public body, and to provide better support than before. In recent years, they discuss whether this system is efficient or not. Some of them say that economic sufficiency is not significant, although money is dispensable for management of library.In this paper I describe the recent situation and problem of this system in some cities and Nagoya city. As the hypothetical conclusion, I propose six idears,. They are as follows.1 The aim of library is not economic efficiency of government and administration, but `succession of history and culture' in community.2 The central value of library is `publicity' because it should be opened to all people who want to read books and use library.3 Library should be managed by `specialty' of librarian which is educated with science and experience for many years.4 Library needs `continuity' of librarian work for many years based on community and it' people's life, because any librarian work will be unable to be established for only a few years.As I described above, I can find some problems in this system as they claim in communities in Nagoya city.In the next paper which I will write in the near future, I would like to clarify demonstratively the essential character of this system on data of community people (especially user of library).
著者
成田 朋子 Tomoko Narita 名古屋柳城短期大学 Nagoya Ryujo Junior College
雑誌
研究紀要 = Nagoya Ryujo Junior College annual report of studies (ISSN:13427997)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.89-103, 2013-12-20

今日では幼児期の比較的早い時期から様々な習い事をする風潮にあるが、それら早期の経験が子どもの発達に寄与するものであるためには、どのような経験であっても、後から振り返ってやってよかったと思える経験であることが必要であると考えられる。本学学生とその保護者に対して習い事についてのアンケート調査を行い、1997年に行った調査結果と比較検討した。学生たちはピアノ、習字、水泳等2.67種類の習い事を、自分の意思で、あるいは親に勧められて6 歳3 か月から11歳6 か月頃まで行っていた。これらは概ね1997年と同様の結果であったが、1997年に比べて習い事を始めるに際して親の意向がより強い傾向がみられた。そして、平均より早くから親の意向で始めた場合に、その習い事をしたことに対する否定感情が生まれる危険性が示され、子どもの気持ちを尊重することの大切さが示唆された。早期教育という用語について、また早期教育熱が高まった要因についても考察し、乳幼児期は子どもが育つための基礎を整えるという意味において大切な時期であることを確認した。