著者
戸塚 慎吾
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.253-259, 2016

日本製紙株式会社富士工場では操業効率向上の取組を様々な角度で検討・推進しているが,ダート検出装置の追加設置による,ダート異常の早期発見によるマシンへの流出防止案が提出され,実行の検討を行うべくオムロンへ新設の見積引合いを行ったところ「平成27年5月に販売停止」の返事を受ける状況となった。別メーカーの採用も検討したが,価格面や保守面から採用できる製品は見つけられなかった。そこで当社のグループ会社である日本製紙ユニテック株式会社(以降NUTと称す)はオムロンの代理店であり,画像処理システムも手掛けていたので,原料ラインにおけるチリ検出装置の開発を依頼した。NUTはオムロンと企業間協議を行うことで,NUT単独の「後継機種開発」という環境を整えたことの回答を得たので,当工場は能力評価のフィールド提供と必要機能仕様について共に考えることを約束し,平成26年8月より,開発を本格スタートさせた。約一年後の平成27年8月に製品版のチリ検出装置となるOpen―K―DO(ダート観測)を当工場で稼働することができたので,開発の過程から現在に至るまでの状況を紹介する。