著者
重藤 敦嗣 Erinna Nindi Nurasti Anton Sugiarto 戸川 真 熊沢 賢二
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.502-506, 2017-10-15 (Released:2017-10-27)
参考文献数
15

収穫時の熟度が異なるバニラを作成し,熟度がバニラの香気に与える影響について検討し,以下の結果を得た. (1)完熟豆は未熟豆よりもスイートな香調が強く,酸臭や枯草臭が弱く,これらの香調に対応する部分としてAEDA法を用いて,バニリン,2-メトキシフェノール,イソ吉草酸,3-メチル-2,4-ノナンジオンを推定した. (2)バニリンは熟度による香気の差にとりわけ大きく寄与していたが,熟度の違いはバニリン生成に関わる酵素群の活性,および加水分解活性の強さに大きく影響する可能性を推察した.