著者
藤井 麻美子 戸田 康永 根岸 聡 酒本 勝之 金井 寛
出版者
Japanese Society for Thermal Medicine
雑誌
日本ハイパーサーミア学会誌 (ISSN:09112529)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.18-27, 1997-03-01 (Released:2010-01-28)
参考文献数
3

超音波ハイパーサーミアの大きな問題点として, 音響インピーダンスの著しく異なる境界面 (肺や骨など) での発熱があげられる.この発熱は患者に激痛を与え, その結果, 目的部位を十分に加温できなくなる.そして多くの場合, 治療を中断せざるを得なくなる.そこで本研究ではこの問題を筋肉-骨境界面に限定し, その発熱の原因を数値計算とモデル実験により解析した.超音波の伝搬において, 境界面における反射・透過率, さらには伝搬の圧縮波からずり波へのモード変換などは超音波の入射角度に大きく依存するので, 特に温度分布の角度依存性に注目して検討を進めた.