著者
戸田 由美
出版者
西南女学院大学
雑誌
西南女学院大学紀要 (ISSN:13426354)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.153-164, 2006-02-28

漱石作品の面白さはその「意外性」にある。この稿では特に、前期作品の共通の問題点である「主人公」不在についての考察を通して「意外性のもつ意味」、「見立てのイメージ」について論じてみようと思う。またそこから進展した「は」と「が」の問題を解明することによって作品世界に横たわるメタ・メッセージを提示したい。