著者
中井 泉 阿部 善也 扇谷 依李 和泉 亜理紗
出版者
東京理科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

我々は、これまでに2台のポータブル粉末X腺回折計を開発し、世界各地で考古化学的分析を行いその有用性を実証してきた。そこで、長年の現場分析の経験と世界の開発状況に基づき、高性能の新しいタイプのポータブル粉末回折計の開発を試みた。特徴は、「ポリキャピラリーハーフレンズ」を通して平行X線を試料に照射することで、絵画のような表面に凹凸のある試料でも、非破壊非接触で正しく測定できる点である。検出器は、SDD(分解能125 eV)を導入することで、同一照射点からX線回折データと蛍光X線スペクトルの両方を高いエネルギー分解能で測定できる装置を試作し、エジプトの壁画の分析に応用して成果を得ることができた。