- 著者
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持田 裕司
竹村 洋子
松本 正江
金勝 廉介
木口 憲爾
- 出版者
- 社団法人 日本蚕糸学会
- 雑誌
- 蚕糸・昆虫バイオテック (ISSN:18810551)
- 巻号頁・発行日
- vol.75, no.1, pp.37-43, 2006 (Released:2007-07-03)
- 参考文献数
- 7
- 被引用文献数
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3
実用蚕品種受精卵の2年間保存条件を検討した。清水ら(1994)の2年間保存法における6回の15℃1日間中間手入れのうち,最終の1回を10℃10日間に改めた「改良2年間保存法」を試案した。この方法で2年間保存をした交雑種は実用ふ化歩合65%程度で,飼育成績は対照としての1年間保存卵からふ化した個体と同等であった。原種の場合,改良2年間保存後のふ化率は対照区と比較して著しく低く,ふ化幼虫の雌雄比にも偏りが生じた。しかし,次代卵を再び2年間保存することを繰り返す継代は可能であり,多くの品種において継代のたびにふ化率は向上した。2年間保存により幼虫の飼育成績は低下するが,継代した卵を通常の1年間保存後にふ化させることで飼育成績を回復することが確かめられた。産卵台紙の間にスペーサーを挿入することで積極的に空気の流通空間を確保することは,ふ化率の改善に有効であった。