著者
青木 和也 掛井 将平 瀧本 栄二 毛利 公一 齋藤 彰一
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.597-604, 2019-10-14

マルウェアの高度化によりあらゆる異常動作を検知することは難しくなっている.アンチウイルスソフトを回避するためにファイルを生成しない,ファイルレス型のマルウェアも存在する.実行中のプログラムの動作を正確に解析するにはメモリダンプでメモリ上に展開されたプログラムを取得し解析する必要がある.しかしメモリダンプを防ぐ技術も存在するので安全にメモリダンプを取得する方法は確立していない. 本論文ではARMのセキュリティ拡張機能であるTrustZoneを利用する.TrustZoneは計算機資源をNormal WorldとSecure Worldと呼ばれる2つの領域にハードウェア的に分割する.Secure WorldはNormal Worldより高い権限を持つのでNormal Worldで動作するプロセスはSecure Worldでの処理を妨げることは難しい.Secure WorldからNormal Worldのプロセスメモリを解析するするためのプロトタイプを実装し,機能の一例としてプロセスの正常動作を保証できることを確認した.