- 著者
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松岡 翼
延原 泰行
揚 大鵬
- 出版者
- 日本臨床外科学会
- 雑誌
- 日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
- 巻号頁・発行日
- vol.69, no.6, pp.1541-1544, 2008 (Released:2008-12-05)
- 参考文献数
- 15
- 被引用文献数
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鼠径ヘルニア内容が虫垂であることは比較的稀であり,Amyand's herniaと言われている.今回,われわれはAmyand's herniaの1例を経験したので報告する.症例は54歳,男性.右鼠径部痛を主訴に近医を受診し,精査目的で当院紹介受診された.精査にて右鼠径ヘルニア嵌頓と診断されたが,嵌頓内容は断定しえなかった.用手還納を行った後,待機手術を施行した.術中所見では外鼠径ヘルニアであり,ヘルニア内容は虫垂および滑脱した虫垂間膜であった.Amyand's herniaと診断し,同一創にて虫垂切除術を行い,盲腸を腹腔内へ還納し,mesh plug法にて鼠径ヘルニア根治術を施行した.経過は順調で,術後6日目に軽快退院された.鼠径ヘルニア内容が虫垂であることは稀であり,文献的考察を加え報告する.