著者
熊本 友香 久末 伸一 安田 弥子 井手 久満 知名 俊幸 井上 正浩 斉藤 恵介 磯谷 周治 山口 雷蔵 武藤 智 堀江 重郎
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.160-165, 2013 (Released:2013-11-18)
参考文献数
18
被引用文献数
4 4

今回,我々は加齢男性性腺機能低下症候群患者(late onset hypogonadism : LOH)に対する補中益気湯の有効性について検討した。帝京大学付属病院泌尿器科メンズヘルス外来を受診し,Aging Male Symptoms(AMS)scale が27点以上で,テストステロン補充療法を施行していない47例に補中益気湯エキス7.5g/日を8週間投与した。投与前および投与8週間後のAMS と各種ホルモン値,各種サイトカインについて検討した。47例中31例で評価が可能であり,補中益気湯8週間の投与によって遊離テストステロンは有意な上昇を示し,ACTH とコルチゾールは有意に低下した。補中益気湯投与後の自覚症状は各種質問紙で変化なかった。本検討により補中益気湯はLOH 症候群患者のホルモン値に影響を与えることが証明された。今後,長期間投与による症状変化の検討を要するものと考えられた。