著者
斎藤 吉彦
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.103-107, 2005
参考文献数
9

2次元三角格子方位磁石集団にはお互いが向きを揃える秩序状態がある。カーアクセサリー用の方位磁石1000個で鮮明な磁区が得られる。磁石で外からこの方位磁石集団をかき乱すと,しばらくして秩序状態が現れて落ち着く。これは強磁性体の高温状態から低温状態への相転移(キュリー温度)に対応する。交換相互作用を知らない初学者にも強磁性体のミクロ構造の学習が可能になった。この秩序状態の出現は「自発的対称性の破れ」の実例でもある。素人から専門家まで,生の自然現象で磁区と「自発的対称性の破れ」を楽しむことができる。
著者
斎藤 吉彦
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.209-212, 2012

本誌の企画「変位電流とは何か」で,3編の論文が「変位電流は磁場を創らない」の議論を与えている。これらは,時間変化をする球対称電場の存在の正否が要となっている。本稿は,この電場がマクスウェル方程式と矛盾することを根拠に,設定されたモデルを否定する。さらに,モデルが仮定する荷電粒子の運動が非物理的であることを具体的に示す。本編の議論は電磁場の相対論的理解が背景にあり,教育者にとって電磁気学の相対論的理解の必要性を主張する。
著者
斎藤 吉彦
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.209-212, 2012-09-03 (Released:2017-02-10)
参考文献数
5

本誌の企画「変位電流とは何か」で,3編の論文が「変位電流は磁場を創らない」の議論を与えている。これらは,時間変化をする球対称電場の存在の正否が要となっている。本稿は,この電場がマクスウェル方程式と矛盾することを根拠に,設定されたモデルを否定する。さらに,モデルが仮定する荷電粒子の運動が非物理的であることを具体的に示す。本編の議論は電磁場の相対論的理解が背景にあり,教育者にとって電磁気学の相対論的理解の必要性を主張する。