- 著者
-
斎藤 直人
山田 浩史
- 雑誌
- 研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
- 巻号頁・発行日
- vol.2016-OS-138, no.1, pp.1-9, 2016-08-01
仮想化技術を利用したデータベース管理システム (DBMS) の統合が実運用されている.DBMS はトランザクションをログ先行書き込みで実現しているものが多く,ログ先行書き込みはストレージへシーケンシャルに書き込むことで高速化している.しかしながら,DBMS の統合を行うと,複数の DBMS で発生したログ書き込みが同じディスク上の各 VM イメージ内の DBMS ログファイルを往復しながら書き込まれるためシーケンシャルに書き込みを行えない.本研究では,複数 DBMS で発生したログ書き込みをハイパーバイザで制御し,シーケンシャルに行う手法を提案する.提案手法では,複数の VM の各ディスクイメージに保存されていた DBMS のログファイルを1つに統合する.そして,複数 DBMS からのログ書き込みを制御し,統合されたログファイルへシーケンシャルに書き込む.提案手法を Xen 4.2.1,MySQL 5.6.17 に実装し,4 つの DBMS で同時にワークロード TPC-C を実行した.結果,各 DBMS のスループットの平均で 23%向上し,提案手法の有効性が確認できた.